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メンテナンス
絶縁診断試験について

  1−@ 絶縁劣化と絶縁診断

      回転機の損傷原因のうち、巻線に関係するものが70%以上も占め、
     なかでも「絶縁劣化」に起因する絶縁破壊事故」が主要因となっております。
      巻線に関連する事故は、修理費が高価になるばかりではなく、修理期間も
     長くなり、設備の長期停止を招くこととなるため、その損失は計りきれない
     ものとなるでしょう。

      一般に巻線の劣化は絶縁方式や機種、用途等によって異なり、負荷の状態、
     頻度、外部 環境等運転条件の違いによっても、その進行度合や形態等は多様
     であります。
      さらに実際の運転状態におきましては、これらの要因が複合的に加わり、
     劣化が進行する為、その予知を図る事は非常に難しいといえます。
 
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絶縁劣化
     したがいまして、絶縁劣化の状態を把握するには、定期的に「絶縁診断試験」を行い、その数値データを基に「傾向管理」を続けることにより劣化予知を図る事ができます。
   特に運転年数が10年を超えた回転機については、絶縁劣化による事故割合が急増していることから、突発的な事故を未然に防止するための「予知保全」として、定期的な絶縁診断試験を実施することにより「効率的な(費用及び時間)予防保全」を図る事ができます。
    
              
   参考までに、絶縁劣化と絶縁破壊事故の関係を(電気学会技術報告第・部182号)
   より抜粋し(表-1)(図-1)に示しました。

↓クリックで拡大↓    絶縁破壊
 
  1−A 絶縁劣化の進行について

   回転機の絶縁劣化の形態は多様でありますが、大別すると次のようになります。

     (1)熱による劣化
     (2)電圧による劣化
     (3)機械的原因による劣化
     (4)外的環境による劣化

      しかし、多くの場合、これらの要因は単独で作用するよりむしろ複合的に
       加わって、絶縁劣化の進行を促進させています。
      下記に劣化進行の例を示します。

  


  2−@ 絶縁診断試験の条件

    (1)供試巻線の温度は常温(20℃±15℃)を原則とする。
    (2)電圧印加方法
       @三相一括にて試験を実施する。
       A電圧印加点は電動機端子部とする。
       B試験時は回転子巻線及びサーチコイルを接地する。
    (3)試験電圧
       原則として1.25E/√3の電圧までとする。(E:定格電圧)

  2−A 直流吸収試験

    直流電圧(1000V)を電動機巻線に印加すると初め急激に減少する充電電
   流が流れ、その後時間と共に減少する吸収電流が流れ、最終的には減少しな
   い洩れ電流が測定されます。(図-1参照)測定された電流より絶縁抵抗値及
   びPI値を求め、吸湿・汚損・劣化の状態を調べる。

   

   PI値とは下の計算式で求められ、PI値が低いと吸湿・汚損していると判
        断します。

   

   

      @ 良好な状態と考えられます。
      A PI値が低く吸湿・汚損状態にあると考えられます。
      B 絶縁抵抗値・PI値がともに低く、吸湿・汚損・劣化状態にあると考え
        られます。

  2−B 交流電流試験

    電動機巻線に交流電圧を印加すると流れる充電電流は電圧の低い領域では
    直線的に増加しますが途中絶縁層内のボイドで部分放電が開始すると充電電
    流は増加します。この増加する点を電流急増点と呼びます。電流急増点の有
    無と電流増加率より絶縁物の劣化の状態を調べます。(図-2参照)

   

     電流増加率とは図-2の表から下の式で求められます。
            
     但し、Io は電流が比例して増加した場合の電流値を示す。



    @ 良好な状態と考えられます。
    A 第1電流急増点があり、劣化が進行中であると考えられます。
    B 第1電流急増点・第2電流急増点があり、電流増加率も大きく劣化がかな
    り、進行していると考えられます。

2−C 誘電正接(tanδ)試験

コンデンサに電圧をかけると電圧に対して90°進んだ電流Iが流れます。
電動機巻線をコンデンサと見た場合、絶縁物には損失がある為、変位は90°
とはならずδだけ遅れた電流I1が流れます。δの値よりtanδを求め、絶
縁物の吸湿・汚損・劣化の状態を調べる。(図-3参照)





    @ 良好な状態と考えられます。
    A tanδが電圧上昇にともない、急増しています。絶縁物が汚損状態に
    あり、部分放電が発生していると考えられます。
    B tanδの値が大きく吸湿・汚損状態にあると考えられます。
    C 絶縁物が従来絶縁の場合、絶縁物の枯れが進行していると考えられます。

2−D 部分放電試験



電動機巻線に交流電圧を印加し、直接的にボイド放電を測定し、劣化によ
って生じるボイドや剥離の状況を把握する。



最大放電電荷量とは所定の電圧において発生する最大の放電電荷量の事を表
し、劣化判定の重要なデータとなる。
単位は pc[ピコクーロン]
    @ 放電電荷量が少なく良好な状態にあると考えられます。但し、絶縁物が
    ひどい吸湿・汚損状態にある時、部分放電がでにくくなる場合があります。

    A 部分放電が多く発生しており、劣化が進行していると考えられます。

3-@ ま  と  め
  1. 診断試験結果

  2. 絶縁診断試験により採取したデータはコンピュータに入力され、良否判定及
    び総合所見を添えて「診断結果報告書」として提出致します。
    又、これらのデータは弊社のコンピュータに入力され、「診断カルテ」とし
    て保管されます。

  3. 傾向管理

  4. 絶縁診断試験は、測定時点の劣化状態がどうか判断するもので、1回の診断
    で余寿命を予知する事は困難です。
    従って、定期的(年1回程度)に診断試験を行い、傾向管理を続ける事によ
    って、余寿命を予測する事が可能となり、効果的な保全計画が立てられます。

  5. 保全計画

  6. 診断試験と傾向管理によって、無駄な保守費用を削減し、「効率的な予防保
    全」と「効果的なオーバーホール」が図れます。
例えば
  1. 定期的に実施している点検や、オーバーホールの要否及び周期につい

  2. て、各機器に合った対策と処置がとられ、オーバーメンテナンスとな
    らない為「効率的な予防保全」となります。

  3. オーバーホールについても、前後の診断試験により、その成果が数値

  4. で明確にわかる為、「効果的なオーバーホール」となります。

  5. 採取したデータは弊社のコンピュータに入力され「診断カルテ」とし

  6. て保管される為、維持管理に於いても保全御担当者のお役に立ちます。

以上、絶縁診断試験についての説明を致しましたが、少しでも貴社の保守経 
費の有益化に貢献できますよう努力致しますので、御検討の程お願い申し上
げます。

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