楔劣化・脱落事例

<定格>

110kW 6P 3300V 

 

<状況>

連続運転中に固定子の楔が劣化、脱落しU-W相と接触した。

 

<原因と波及被害>

分解調査の結果、固定子楔の部分的ゆるみ、脱落して回転子に接触、エアギャップにかみ込み破砕

し摩擦熱により他の楔の過熱損傷へと波及、固定子コイルエンド内面の絶縁が過熱し、外部絶縁が

損傷した。

 

<前回の絶縁診断報告書より>

「直流吸収試験に於いて、成極指数が判定基準を外れており、吸湿・汚損等が見受けられました。又、部分放電試験に於いてもQmax2の値が判定基準を外れており、過熱による鉄心とコイル間の隙間の部分放電と考えられ、洗浄・乾燥・ワニス処理を含む分解整備の計画を立てる必要があります。」と記載して指摘報告済でしたが、残念ながら今回の突発事故となりました。

 

<今回の絶縁診断報告書より>

「今回分解整備時に絶縁不良個所が見受けられ、絶縁強化対策として絶縁樹脂にて応急的に処置を行った為、部分放電試験の値は判定基準内に下がっております。しかし応急的な処置であるため、今後一年毎に診断実施し監視又は更新を行う必要があります。」と記載して報告させていただきました。

 

 

固定子と楔とコイルエンド損傷状態

 

               ウエッジの損傷脱落

  

楔の脱落により固定子と回転子のエアギャップにクサビが挟まれて細かく粉砕され、摩擦熱により発熱しコイルエンドの絶縁物を過熱させたため、外部主絶縁が損傷した。

 

 

 

 

 

 

 

  過熱のため、コイルエンド主絶縁が損傷した。(拡大写真)

 

 

 

 

 

 

 

 〈固定子コイルエンドの状態〉

 エアギャップの内部で楔が破砕の摩擦熱による過熱状態で

 外部絶縁が焼損したが、固定子コイルの過電流がなかったため、

 固定子のレア絶縁やスロット内の対地絶縁に

 損傷はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 〈回転子の鉄心外周状態〉

 エアギャップの隙間で楔が粉砕され

 摩擦による擦熱傷と摩擦熱により変色した状態です。

 回転子の過電流がなかったために導体の損傷はありませんでした。