軸受メタル焼損事例

避けたいことですが、電動機の突発事故例をご紹介致します。

 

軸受メタル焼損事例(高圧電動機)

 

<定格>

370kW 10P 3300V メタル軸受

 

<状況>

連続運転中に反直結側のメタルより発煙した。

 

<原因>

油槽にあるオイルをオイルリングで掻き揚げて潤滑する機構ですが、油量不足により掻き揚げ出来ず焼損した。潤滑油のメンテナンス不良。

 

<波及被害>

軸受のメタル(接触部表面材質はホワイトメタル)が焼付き溶損し、ステータとロータのギャップが無くなり接

触した、鉄心部損傷及び楔が一部焼損した。(通常、誘導機のギャップは数ミリ程度しかない)

 

 

 

直結側:焼損した軸受メタル

  下メタル       上メタル

 

 

 

反直結側:焼損した軸受メタル           (反直結側)上メタル拡大

  下メタル       上メタル     上メタルに溶けたホワイトメタルが付着している。

 

 

 

油面低下によるメタル焼損後のラビリンス損傷部   正常なラビリンス

 

      反直結側                      直結側

 

 

 

 メタル焼損のため、

 回転子が下がり固定子に接触、

 鉄心の損傷部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

固定子鉄心の接触・損傷部及びウエッジ焼損部

 

 

<結果> 

 

軸受メタルは新規にバビットメタル吹き替えと、ラビリンスも新規作成になりました。

 

固定子,回転子ウエッジについては焼損部の局部補修と、洗浄、乾燥後の絶縁補強対策を実施しました。

 

トータル的にお客様の製造ライン停止は2週間に及びました。