軸受焼損事例

最近、突発的な事故が頻発しています。

容量の大・小を問わず生産に支障をきたす事例が多く見受けられ、その事例を報告します。

 
 

軸受焼損事例(高圧電動機)

<定格>

350kW 2P 3300V 全閉外扇形

 

<状況>

連続運転中に反直結側の軸受が焼損し、電動機が地絡した。

 

<原因>

分解調査の結果、軸と軸受箱のわずかな隙間から雨水と思われる水が浸入し、

軸受が焼損に至ったと判明。

 

<波及被害>

軸受の転動体(ボール)が変形し潰れてしまったため、ステータとロータのギャップが無くなり接触し、

その熱で巻線の絶縁が焼け地絡に至った。(通常、誘導機のギャップは数ミリ程度しかない)

結果的に修理不可能な状態になった。

 

 

正常な状態のベアリングの内輪(直結側)   焼損したベアリングの内輪(反直結側)

   

 

 

 

 

 

 ボールが溶けて変形している

 

 軸と接触し溶損している

 

 

 

 

 

全閉外扇形で反直結側にはファンカバーがあり、実際には目視や触手点検が出来ない部位であった。

固定式のベアリングモニタ等で監視する方法もあるが費用面から現実的には困難で定期的な点検や検査で発見

する方法が現実的である。

 

 

 

 焼損部分

 

楔は酸化している

 

ステータとロータが接触し、ステータの半分が黒く変色している。

下部の巻線の溶損箇所が見られる。

 

 

 

ロータの接触跡 

 

 

 溶損箇所

 スロット内で地絡した

 状態